退職後からの転職活動について

はじめに

よく転職活動は就職中に始めた方が良いと言われています。

それは、リスクを考えた場合に当然です。だって、今の会社を辞めちゃってから転職したら、決まらなかったらマズいし、足下見られて、ダメな条件でも飛びつくことや年収が下がるかもしれません。追い詰められればブラック企業でも受け入れざるを得ないかもしれない不安があるからこそ、多くの人は今の会社を辞めないで転職活動をしようとします。

でも、本当にそのやり方ってベストなんでしょうか。

私自身は前職を辞めてから転職活動をして次の職場を決めました。そして、それで損をしているとは、あまり感じていません。

昔、某歌姫は「リスクがあるからこそ戦うほどに強くなるのさ♪」と歌っていました。ちゃんとリスクを受け入れているからこそのメリットも実はあるんじゃないんでしょうか。

確かに、多くのエージェントから「どうしてやめてから転職活動なさるんですか?」と質問されましたが、そのようにしつこく聴いてくる人は本を売ってこようとしたり、有料のセミナーを紹介されそうになったり、あまり親身になってサポートしてくれませんでした。結局「社会人でいること」への信仰に近いものを彼ら彼女ら自身が抱いてしまっていると思います。。

そんなわけで、今日は、私が実体験した「辞めてから転職するメリット」を6つ挙げます。

1. やりたいことを考え、実行する時間ができる

多くの人は幼稚園・保育園を卒園し、小・中・高等学校を卒業し、大学を卒業し、そして就職します。この流れをストレートで来ていると、あまりにも人生をゆっくり考える時間が用意されていないでしょう。

定年後に、本当にあなたがやりたいことを探しても、健康面でそれどころじゃなくパワーが足りなくなっていたり、年を重ねるとできないこともたくさんあります。「今しかできないこと」と簡単に人は言うけれど、それはゆっくりとじっくりと腰を据えて考えてみないとわかりません。

私自身が体験したことを例として紹介します。

私は1浪して大学受験を終え、自分が受験で使わなかった科目も勉強したいと考えていました。そのとき、特に歴史を勉強したいと思って本を2冊購入しましたが、買った直後に読まれることはありませんでした。なぜなら、大学生活に突入して忙しくなってしまったからです。その後、大学院時代もそんな暇はありません。1回目のポスドクを終えて職がなくなってしまった時に、はじめて浪人時代の締め括りに買った歴史の本を開きました。そして、大学受験当時にはなかったYouTubeで世界史の動画を視聴したのです。

それはとても有意義なものでした。ゆっくりと腰を据えながら新しい知識に触れ、じっくり考えることがこれからの人生を豊かにすると言っても過言ではありません。

正直言って、あの期間がなかったら、と思うと、恐ろしく感じます。現代がどのような履歴を辿ってきたのかがわかる近代史や、様々な政治システムを採用したローマ史などを、知らないままに死ぬのは、非常に損をしている気がします。

2回目に職を辞めた時は、代数学や表現論を勉強しました(継続中)。同じように、これを知らずして死ぬのは人生損している、と思える内容です。

何が言いたいかっていうと、日本人は忙しすぎです。もっとゆっくり物事を考えても良いはずでしょう。ゆっくり考えればいいアイデアがわいてくることも多いです。そして、やりたいことをやってみてる時間に当ててみてもいいと思います。

得られた知識は確実に職選びの基準や私自身の価値観を変えます。それは定期的に銀行にお金が振り込まれることを捨ててでも、価値あるものです。

2. 「明日から働けます!」と言える  

新しく人を入れる人の立場に立って考えてみましょう。

「この部署に人が足りない」と思っているからこそ高い予算を使って人を募集しているのだから、1日も早くきて欲しいことが想像できます。

そこであなたがもし「前の仕事があって、この日からなら来れます」と言ってしまえば、相手はどう思うでしょうか。

有能な人なんだな!と思うだろうか。そう思う人もいるかもしれないが、たいていは「仕方ないよな。でも、めんどくさい」と思うかもしれません。

ここで「明日から働けます」と言えれば、「そっちの都合考えなくて良いのか!」となるわけです。でも履歴に空白があるし、返事だけがいい無能と思われると心配する必要はありません。

なぜなら。、あなたが本当に有能であり、意志があって辞めたのであり、それが相手に伝わっていれば、「どこか他に取られちゃうから、早く採用を決めなくちゃ」と思われます。

“有能であれば、きちんと意志があって辞めたのであれば”このエクスキューズは重いです。自信の無さを慣習にぶつけてはいけませんよね。

3. 昼も夜も関係なく面接等を入れられる

普通に職についていると、面接っての時間を確保するのって難しくないですか。

仕事をしつつ、時折半休にしたり、正直めんどくさ

在職中に転職活動をしているときに一番問題になるのは、面接時間の確保です。

相手企業と予定をすり合わせて面接時間を確保して有給を取ったりするわけですが、正直めんどくさくありませんか。

頻繁に有給や半休、直帰が増えると怪しまれるし、じっくりと集中して対策とかやるのは大変です。

確かに、企業によっては18時以降に行ってくれることもあります。しかし、面接官も人間です。家庭があったり、プライベートがあったりするので残業して、あなたの面接をするというのはちょっと微妙な感じでしょう。

あなたが面接官でこんな場面に遭遇したらどうしますか。

定時後に大切な人との予定を入れていた日に、上司から「この中途採用者の面接、付き合ってよ」と直前言われたら、イラッとして、厳し目に面接しちゃったりしませんか。

本当の意味で採用する側の立場に立ってみると、辞めてから就活するほうが、実益がありそうでしょう。

4. 知人や友達に「職がない」と堂々と宣言でき、誰かに探してもらいやすい

そもそも職探しというのは、求人サイトをみて、公募から抽出するものではないと思っています。そうではなく、誰か困っている人を探して、自分が助けになれれば手伝い、それに賃金が発生すれば仕事になります。これを粛々と続けることが職探しです。

もう少し現実的に落とし込んで言えば、何かの繋がりから「いい人いない?」という声をいかにキャッチするか。これさえできれば、大手求人サイトやエージェントなど不要なのです。

え?でも、自分にはそんなコネはないよって。

そうじゃありません。具体的に職がない状態になっていないから、あなたのコネが発揮される機会がないだけです。私自身も仕事を辞めた時、あらゆる友達に「仕事やめたわー」と言ったら、あらゆるところから職を紹介してもらえます。

世の中思っているほど修羅の世界ではなく、意外と優しい世界なので、恩師、同級生、先輩後輩、薄い縁の知り合いからでも声がかかります。

ちゃんと「困っている」ということをアピールすること。それこそが重要なのです。

5. 自分の人生をゆっくりと考え、新しいことを始めるチャンスの期間にできる

私は仕事を辞めたことはあらゆる人に伝えていました。もちろん、海外の友達も含まれます。

アメリカにいた頃の友人にも話すと、反応が日本人のそれとはかなり違うことに驚きます。「おお、そうなんだ。いい仕事見つかるといいね!楽しんで!」って感じです。日本の友達が、「えーーー!大丈夫なの!!???」という反応なのとは、全く異なります。

アメリカ文化の全容を知っているわけではありませんが、彼ら彼女らは働いていない期間がないことの抵抗は日本人よりもないんだと思います。

そう考えてみると、日本人はなぜやたらに職に就いていないことを恐れているのかが、よくわからなくなります。それはもしかして、「社会人」という名の宗教に毒されているだけなのでは?

もしそうだとするなら、さっさと脱退する方が良いです。そんな新興宗教のご利益はあまりにも小さいですから。

そして、ゆっくりと自分の本当の意味での人生を考えることがに集中するべきです。

6. 離婚する前に再婚しようとするヤツはそもそもクズ

最後はほぼ本音。今の会社を辞めずに、新しい職を探すなんて、”流れ”が悪すぎるんだよ!

新卒の就活時に説明会でよく聞いたのですが、就職活動と恋愛・結婚は似ていて同じようなものです。これ、結婚と離婚に喩えるとわかりやすいです。離婚する前に再婚の準備しているヤツを皆さんはどう思いますか。きちんと問題と向き合っていなくて、そのわりには欲望に従順で、クズだなっと思いませんか。

筋通して根性ある生き方をしたいのであれば、前の会社を辞めずに次の会社を探すことが、いかに下劣でハシタナイことか、わかると思います。

では、もうひとつアナロジー。

離婚した原因をよく考えもせず、きちんと考究して何かの結論を出していないにも拘らず、てきとうなノリで婚活している人をどう思いますか。これも相手に対して迷惑ですよね。だから、自分が前の職場でどうして上手く行かなかったのか、あらゆる角度から考え、自分なりの考察を加え、新たな知見を得ていない状態のまま、それで転職活動をすることですら、(厳しいこととを言えば)ダメなのです。

確かに、リスクを取らない「賢い」生き方として、今の会社を辞めずに新しい職を探すのは、理にかなっていると言えるでしょう。しかし、「利口」なのと「聡明」なのは違います。とにかく目先の利口さを取ってしまう人は、幸せには到達しないだろうし、結果的に満足できないでしょう。リスクをきちんと自分自身に受け入れさせ、それらも含めて実力が発揮できる聡明さがあるときに、はじめて「あなたらしさ」が出てくるのです。

おわりに

さて、6項目語ってみましたが、いかがだったでしょうか?

転職活動しつつ業務をこなすのはかなり辛いです。ならいっそ仕事を辞めてからじっくりやっても問題ありません。むしろ時間ができるので考える時間や新しいことを始める時間ができるので、転職活動が終わってから振り返っても、メリットばかりに感じます。

しかし、この「今の会社を辞めてから職を探す」手法を現実的にとる場合、お金にある程度余裕がないといけないですし、失業保険や住宅手当て等のシステムを理解していないといけません。

それらのことに関しては、また書きますので、ぜひ!

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